バケモノの子感想(全主観/ネタバレ避け)
『バケモノの子』観た。
悩んだ末、1年以上ぶりにスクリーンで映画を観たわけですが
おもんなかった…。
全くつまんなくはなく、苦痛な時間でもなかったけど、
払った鑑賞料の分は取り返せない範囲の面白さだった。
私的おもしろ基準では、近年のジブリ作品と同じくらいの評価で、
風立ちぬのが一段上で、コクリコ坂のがまだ楽しかったかも…という程度。
苦痛だったかぐや姫よりはずっと面白かったけど。(※主観!!!)
時かけやサマウォのような感動はなく、
雨と雪よりも下回った印象でござった。
映画館に足を運ぶか悩むっていうギリギリの興味ラインで、
結局観たわけだけど、結果としては映画館で観なくても良かったなぁ…と。
NHKのプロフェッショナル細田守とか観たり、ドキュメンタリー・オブ・バケモノの子?とか観たりして、監督はじめ制作側の苦悩とかは知りつつ、申し訳ないとは思いつつも、でもやっぱり
「時かけのが絶対おもろい」
「サマウォのが絶対おもろい」
「雨と雪のが多分おもろい」
とは(訊かれたら)言ってしまう、そんなくらいの面白さだった。
時かけが、開始数十秒にして「うわっ!!」「なんてアッサリな作画!!」「予算すくなっ!!」「これはハズレつかんだか…!!」って思ったところから、終幕までに超絶引っくり返されてのマイ殿堂入り映画になってた(テアトル新宿で初週に観たのは我が誇り)ので、
今回のバケモノの子みたいになるともう、「予算多っ!!」「エフェクトこだわりすぎ!!」「細田監督映画に、果たして必要なのこれ…??」と不安に思ってしまうという、逆転現象となり。
声を当ててる人達も、やたらと豪華(な俳優陣)で。主題歌も。
「本当にこれが必要なの…?」という疑念は深まるばかりで、結局、観た後も「それら(を実現した予算)が面白さを底上げした気がしない」「そうじゃなきゃいけなかった気がしない」っていう思いだけが残ってしまった。
切ない。
映画監督って、ヒットしようが次回作も同じような規模で、同じような環境で映画作ることって許されないんだろーか。止まったら死ぬみたいな、ヒットしたらどんどん期待されて規模も大きくしなきゃいけないってなるのか。
色々な要素が無駄に豪華なのは、監督の意向ってだけじゃなく、大人の事情もあるのかなやっぱりー。
それでも面白いなら凄いし素敵なんだけど、そうやって装飾が無駄に豪華になってくと往々にして、面白さを左右してた何かが分からなくなっちゃって、装飾に溺れるみたいなことになってしまう気がする。
細田監督ならでは(?)の横パン撮りは今作にもあって(不良場面と再会場面)ちょっと安心したものの、時かけの夕暮れとか、サマウォの喪失とか、雨と雪の進級年月みたいな特別な印象性は無く、通り過ぎてしまった感じ。
大粒の涙の描画も薄れ、
うにょうにょ(フルアニメ?)動画は消えてしまった感じ。
細田監督作品のうにょ動画、大好きだったんだけど。
時かけの自転車少年達とか、サマウォのお風呂目撃とかキスしちゃえとか、その他うにょうにょ。サマウォはうにょの宝庫で幸せだった。雨と雪では、「無い…?」と不安がりつつ、シャッター前でうずくまってた花が顔を上げるとこだけは「あ、これはうにょかも」とか思ったのだけど。バケモノの子では、無かった… か、分からんかった…。
「バケモノの子」ってタイトル、略せないから困るな。
バケ子? の子? バケモノ? うーん、あかん…。
坊とかタタラとかなんで一緒にいるのわけわかめ?みたいなこととか、細々としたことはなるべく気にしないで楽しもうとは思ったけんど
なんか暗い…後半暗い… ややホラー…
なんか、こっち(観る側)が期待する方向から外れた方に物語が進んでく感じがツライ… 良い方の裏切りなら歓迎だけど良い方ではない… とかとか。
語彙が少なく根気も無くてやっぱレビューは出来ないなーと
ひしひし感じつつ、たらたら書いたった。
「豪華俳優陣」ではなくて良いよ…。
ミスチルじゃなくて良いよ…。
なんかどっちつかずだよ…人間界とか獣人界とか展開の方向とか結末の方向とか。
切ない。
「面白かった!!」って書きたかった…。
ゴメンナサイ。